シネマ感覚思考 / cinema-feel-think

1つの記事内に基本、映画紹介パートと、ネタバレありパートに分けて記載しています。お見知り置きくださいませ。



映画感想:『アクアマン』

 

 

 

 

 

お前は誰だ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 


どうも、ブラックマンタです。

 

 

 

 

 

 


『アクアマン』

      原題:Aquaman

 

 

 

 

 

 

 

あらすじ
  人類未踏の領域、深海。そこにはアトランティスがあるんだって!

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感想
  盛り盛り盛りな内容、ベタベタベタな展開でやってくれましたアクアマン!序盤の、観ていて色んな意味でつらい展開に、これずっと続くの?と、不安になったのですが、恐らくたぶん敢えてこれやってるなと、そうなんだな、と気付き出してからは、もう波に乗っかれました。

  この要素どこかで知ってるけど、この画は観た事ない!というものを盛り盛りで畳み掛けてくれる中盤以降、VFX好きにはたまらないんじゃないでしょうか。画に対する気持ちの高まりが凄い!そして、"アベンジャーズ"側の要素を意図的に入れ込んだ姿勢に、"ジャスティス・リーグ"側の意気込みを感じました。


  ただ!惜しむらく、非常に残念だったのは、これまでハリウッドで散々繰り返されてきた、女性キャラクターが男性キャラクターとしか話をしないというコードそのままの映画であり、女性と思われる登場人物が極端に少なかったのは頂けなかったです。画的なアイデアはとても面白いのに。残念。

 

 

 

 

(おすすめしたかったけど、、、)

観ても良いかも!!!

 

 

 

 

 

 

以下、ネタバレを含みます↓↓↓

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ネタバレ感想

 


お前は誰だ?

 

 


どうも、ブラックマンタです。(2回目)

 

  ちょっと製作サイド"ブラックマンタ"好きすぎじゃないですか?色んな意味で、色んな意味で、たまらない造形をしていらっしゃる。とりあえず、ブラックマンタは一旦海に帰ってもらって、アクアマンの冒頭から話を始めたいと思います。

 

 

  漂う不安


  冒頭、荒天の中アトランナ女王が打ち上げられるシーン、とても良かったのです。ですが、家に上がって、その身につけている鱗スーツ?の造形のリアリティラインに気になりだしてから、もう気になるところだらけで、本作への不安が湧き出しました。正確な時間測ってないので分かりませんが、この間およそ5分ほど。
  そして、現れたのは、ツルッとした白いプラスチックを身にまとった珍客。ここで噴出する不安は、え、何このデザイン?、でした。そんな白スーツを蹴散らすニコール・キッドマン扮する女王のアクション良いのですが、気になりだす五又槍のチープなプラスチック感。別れのシーンのCG感溢れる夕景。ベタな演出。ちょっと胸焼けしましたが、とりあえずok。必要なシーンですもん。

 


  そして、恐らく現代と思われる時代になると、謎の高機能物体によりシージャックされてしまう潜水艦シークエンスに。跳弾などお構いなしに放たれる銃弾。きっと、黒スーツが高機能だから、跳弾なんて関係ないんだね、と自分を落ち着かせると、唐突に始まる親から子への昔話。


君ら誰なの!アクアマンは!?

 

、、、誰!


と思っていたら、出ました、生身でスーパーヒーロー着地、アクアマンこと、モモアマン。素手で蹴散らしていくその様はもう、スーパーマン。さらには、円形の金属を盾に使い出し、キャプテン・アメリカばりに、何故か下半身にダメージなしで盾突撃し出すモモアマン。ビビりまくる愉快な黒スーツ。そして、対峙する親子とアクアマン。ちょっと火傷したモモアマンが本気出した後に始まったのは、何と親子劇場。

  、、繰り返されるベタ。過剰なアップと演出。親子が叫び出したあたりから、もう爆笑を抑えきれませんでした、、。何だったんだろう、、。わざとだよね、そうだよね。

  ですが、これでこの作品の波が分かり始め、波に乗れるようになりましたよ。この間15分ほど。


  メラのスーツの質感と、深海のクリーチャーの造形がかっこよくて、今までのチープさとダサさは何だったの?リアリティラインを引き下げるための意図的な演出なんだとしたら、凄い策士だなぁと、勝手に納得してからは、楽しんで観ていました。全体を通して、ギャグが全部上滑りしてましたが、まぁ、しょうがないね。

 

 

 


  再登場


  そして、忘れた頃にやってくる子。インド洋のどこかにいる子。1作目の『アイアンマン』さながらにノリノリで改造を始める子。そう、ブラックマンタです。どうも。黒いグレイじゃないよ。ブラックマンタだよ。
  どうして、ブラックマンタのパートになり出すと急に、過剰な演出、B級のノリ、チープ感のあるCGになるのでしょう。答え、ブラックマンタだからですね。しょうがないね。ビームとか絶対もっと良く描写できるのに。

 

  とはいえ、ブラックマンタ小隊の魅せ場、イタリアでの戦闘シークエンスは一個一個のアイデアがとても面白かったです。メラが屋根伝いに移動するシーンから、距離の離れた手前にいるモモアマンへの視点移動という、空間をダイナミックに使ったひとつなぎは見事でした。↓公式の特別映像の3分18秒ごろから観れますよ。


  そして、メラの水を操る能力を生かした、ロゼワインの水槍なんかは、魅せ場としてとても魅力的でした。ちゃんと良いアイデアを形にできていました。前半は何だったんだ。

 

 

 

 


  本作の特徴


  本作ではかなり特徴的に、対象の人物の周囲をぐるぐると回るカメラワークを多用しています。若い頃のアーサーが砂浜にいるシーンが分かりやすいかと思います。これは私の解釈ですが、この作品で使用される武器トライデントを棒術のように回転させて使用されている事から、"回転"をテーマにしていたのではないでしょうか。
  若いアーサーが師のバルゴに、トライデントの回転技を見せられて、ずるい、と言っていた布石からの、ラストバトルで伝説のトライデントを手に回転技をして魅せるモモアマンには、やはり気持ちが上がりました。そして、とどめはモモアマンのグルグル縦回転という、"回転"づくし。面白い演出でした。潜水艦のスクリューもラストバトルに使われていましたね。ちなみに映画の始まりにも、灯台の回転灯が登場していたりします。

 

  本作のもう1つの特徴は、DCコミックスのライバル、マーベル率いる"アベンジャーズ"シリーズ、通称"MCU"の各ヒーローを明らかに意識した演出だと思います。これまでにいくつか書きましたが、冒頭の潜水艦では"キャプテン・アメリカ"の盾を意識していたり、ブラックマンタが"アイアンマン"ばりの工作をしていたり、オーシャンマスターとアクアマンの王座をかけた一対一の闘いは"ブラックパンサー"もしくは、『マイティ・ソー バトルロイヤル』のコロシアムでの闘いのようでした。さらに言えば、アクアマンとオーシャンマスターの関係性は"ソー"と"ロキ"の関係を想起させなくもないですし、トライデントはソーのハンマー"ムジョルニア"を思わせます。こじつけかもしれませんが、海底旅などは"ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー"を連想しました。これは明らかに"MCU"を意識していますし、それぞれの面白い要素を積極的に取り入れて、観客を楽しませようとしており、実際成功しているのではないかなと思います。


  "MCU"に留まらず、本作は様々な映画の良いとこどりをし、場合によってはグレードアップした画を魅せてくれました。砂海では、"インディ・ジョーンズ"に連なる謎解きアドベンチャーでしたし、海溝では"エイリアン"を思わせるクリーチャーの圧倒的物量を魅せてくれました。海溝のシークエンスはとても良い出来、怖かったです。後半にこれだけのVFXをしたからこそ、あえて前半のアクションとSFを"B級"にしたのかもしれませんね。しょうがないね。
  隠された海では、要素が盛り盛り。ジュラシックパークさながらの島、怪物に挑むヘラクレスのようなモモアマン、そして、アーサー王となるモモアマン、ここまでくると、本当に感心していました。よくこれだけ盛り込んでまとめあげたなぁと、すごいと思います。カラゼンに対するちゃんとした伏線も出来ていましたし。そして、ここから始まる怒涛のVFX絵巻。最高でした。カラゼン登場は気持ち爆上がりでした。"戦争"に"怪獣"まで盛り込んでくるとは。よくやってくれました。


  話の大枠と画面上の展開がかなり現実離れした作品なので、題材としてはかなり難しかったと思うのですが、主役2人の演技の良さと、VFXの作り込みでここまで持ってこれたのは、よくやったなぁと思います。ただ、上述したように、女性が活躍する作品ですが、会話はなく、モブキャラに女性がほぼ見られないのはやはり残念でした。この部分は今の時代として、決定的にダメだったと思います。そして、分かりやすいロマンスも『レディ・プレーヤー1』を想起するようなベタ描写。なんだかなぁ。あんなスペクタクルなキスシーンもなかなかないですけどね。ここでも2人をグルグルとカメラが動いてました。
  原作の知識がないのですが、本作は地上と海底のハーフブリードとしてモモアマンを描いている事もあってか、人種的配慮は多少なされていました。白人多いなぁと思いましたが。原作で白人のアクアマンは、様々なルーツがあるモモアマンとなり、アジア人の博士が出ておりました。

 

 

 

まとめ

  総じて、スペクタクル・アドベンチャーとしては、これまでのジャンル映画史の良いとこどり、プラス1アイデア、プラス"B級"の総決算をしながらも、これまでのジャンル史で繰り返されてきた、ロマンスと男性視点を打破できなかった作品だなぁと思います。面白いだけに、非常におしい。

 

  "ジャスティス・リーグ"を筆頭に、DCコミックスの世界観で繰り広げられる映画シリーズ"DC・エクステンデッド・ユニバース"、"DCEU"も6作目となりました。これまでの作品同様、本作も残念な部分があるものの、シリーズの中で、単体の作品としてはかなりまとまった一本になったと思います。ライバル"MCU"が大転換を迎えようとしている今、"ジャスティス・リーグ2"に向けて今後どうしていくのか、注目していきたいと思います。

 

、、"DCEU"って"MCU"に比べて一文字多いだけなのに、なんでこんな言いづらいのだろう。



 

 


演出についての雑記

 

ここからは、本作品の演出に対する雑記です。

 

・本作のような、現実離れしたスケールの作品には、力強いオーケストラによる劇伴が、観客の気持ちを上げるのにとても効果的だと思っているのですが、本作のオーケストレーションはとてもクドさを感じました。何でしょう、これもベタベタだなと思いました。ベタな画面のアップや夕焼けと相まった時のこってりした感じは、狙ってる部分もあるのでしょうけど。、、狙ってるのかなぁ。
・ただ、ベタなオーケストレーションに、これまたベタですが近年よく使われる"ドゥーン"という重低音が重なる時は、画面のスペクタクルと相まって心地よさを感じました。そして、本作の音楽で、特徴的なシンセの電子的なループ音が流れ出した時、これ最初からやればいいのに!と、とても思ったのでした。海底シークエンスから流れ出したと思うので、海底都市の過去に描かれた未来っぽさの感じを表現したかったのだろうとは思うのですが。
・あと、コメディ場面で流れる音にアレンジが欲しかったです。これまたベタで面白くない。ギャグもあんまり面白くなかったので。

 

・アーサーとメラが崖から海へ飛び込むシーンの、ドローンを使ったダイナミックな引きの撮影など、画的に面白い場面が多々ありました。潜水艦に飛び乗るモモアマンや、VFX多用の大戦など。

・何よりクリーチャーの格好よさは、とても良かった。でっかいタツノコやサメ系の良さに比べて、本当にスーツ系は何故ああなったのか。オーシャンマスターの仮面も、、。冒頭の女王を除く、王族系のスーツは良いんですが。あと、赤スーツも良かったです。何で赤スーツをベースに白スーツを作らなかったのか。ツルツルし過ぎですよ。黒いグレイタイプのエイリアン風のあの子は、原作があるからしょうがないね。
・本作、青空が背景の画がちょっと多すぎな気がします。観ていてちょっと飽きました。後半のVFXに力を割いていたので、背景作るの大変だったのでしょうか。

 

・オーシャンマスターが巻き起こす、津波は震災から8年が経とうとする今でも、ちょっと観ていてきついですね。

 

・オーシャンマスターの地上支配の動機におびただしいゴミやクジラ漁が描かれてるあたり、お、そういうのも盛り込んでくるのか、と意外でした。実際、海上のゴミ問題は深刻なものです。ただ、地上と戦う前に、どうせ姿見せるなら外交しなよ、ゴミ出さない協定結ぶとかしなよ、と突っ込みは入れたくなります。父親の怒りを引き継いじゃったから、しょうがないね。

 

・大西洋のどこか(somewhere)、インド洋のどこか(somewhere)って、翻訳の
アンゼたかしさんふざけてますよね。どこか、て。隣の人が"どこか"て出るたび笑ってました。

 

・コロシアムでの戦いの観衆よ、目の前でガキーン!、、イェーイ!ではないだろう、国のトップが変わる一大事。

 

・伝説のトライデントかどうか何でみんな分かるのよ、みんな知らないはずではないの?

 

・メラの突然の「死んだ事にする」発言は、
あ、ああ、なるほどね、とちょっと置いてけぼりをくいました。

 

・クジラかっこいい

 

・ジェイソン・モモアのキャリアについて、ギンティ小林さんがパンフレットにて詳しく書かれているのですが、その内容にぶっ飛んでしまいました。モモアマン凄すぎ。

 

・映画のチラシを集めるのが好きなのですが、本作のチラシの裏のストーリー説明、"アトランティスが、人類の支配を狙い、侵略を始めたとき、彼が守るのはー地上か、それとも海か"、、って、そんな話じゃないでしょうよ。どうしたんでしょう。

・(追記)上記とは別のチラシに記載されている、"USで 『ブラックパンサー』『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』を超える記録的前売券売り上げ!!!"などの涙ぐましい宣伝コピーのがんばりは分かります。ただ、同じチラシ内のアトランナ女王の説明、"男勝りの戦士にして、アトランティス帝国の元女王。"。"男勝り"という言葉を未だに使う、宣伝の中の人の感覚を疑ってしまいます。

 

・また会えますね、ブラックマンタ。

 

 

 

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以上、『モモアマン』感想でした。ありがとうございました。