シネマ感覚思考 / cinema-feel-think

1つの記事内に基本、映画紹介パートと、ネタバレありパートに分けて記載しています。お見知り置きくださいませ。



第91回アカデミー賞(2019)

 

 

  アカデミー賞の授賞式が、日本時間の2月25日に行われました。 アカデミー賞について書き綴りましたので、以下からどうぞ。日本での公開日順に並べた作品リストも載せています。

 

 

アカデミー賞とは


  世界各地から招待された映画関係者からなる、映画芸術科学アカデミー(Academy of Motion Picture Arts and Sciences)の会員が投票し、授与する賞。アカデミー会員は、これまで白人男性の高齢者が多いと言われてきたが、多様性の確保のため、近年大規模な増員を行い、女性と非白人の比率を高めようとしています。現在の会員は9000人以上いるようです。



 

 

アカデミー賞2019作品リスト

日本での公開日順です。

✳︎◯内の数は受賞の数

   (  )内の数字はノミネーションの数


③(7)『ブラックパンサー』
       『レディ・プレイヤー1』
       『アベンジャーズ/
          インフィニティ・ウォー』
   (2)『犬ヶ島』
       『万引き家族』
       『ハン・ソロ/
           スター・ウォーズ・ストーリー』
       『未来のミライ』
       『インクレディブル・ファミリー』
       『プーと大人になった僕』
       『クワイエット・プレイス』
④(5)『ボヘミアン・ラプソディ』

    (3)『バスターのバラード』Netflix
③(10)『ROMA/ローマ』Netflix 感想記事
①(8)『アリー/スター誕生』
       『シュガー・ラッシュ オンライン』
       『天才作家の妻 40年目の真実』

   (4)『メリー・ポピンズ リターンズ』
①(4)『ファースト・マン』

①(10)『女王陛下のお気に入り』感想記事
①(3)『ビール・ストリートの恋人たち』
③(5)『グリーンブック』
① 『スパイダーマン: スパイダーバース』感想記事
       『父から息子へ 戦火の国より』
   (2)『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』
①(6)『ブラック・クランズマン』感想記事&映画に纏わる論
①(8)『バイス』

        『魂のゆくえ』
    (2)『RBG 最強の85歳』


    (3)『COLD WAR あの歌、2つの心』6/28公開

    (3)『ある女流作家の罪と罰』7/3DVDスルー

①    『Free Solo(原題)』9/6公開
        『ボーダー(原題)』2019年秋公開
        『カペナウム(原題)』2019年公開
        『永遠の門 ゴッホの見た未来』2019年公開   
    (2)『Never Look Away』(原題)
       『Hale County This Morning, This Evening』(原題)
       『Minding the Gap』(原題)

         計 長編36作品

 

以下短編
   『マルグリット』

        ✳︎"ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2018"で上映済
①『Bao』

        ✳︎『インクレディブル・ファミリー』と同時上映
   『エンド・ゲーム 最期のあり方』

        エンド・ゲーム: 最期のあり方 | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト
   『野獣』

        ✳︎  "第9回マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル"で上映済
   『Detainment』(原題)
   『Mother』(原題)
①『Skin』(原題)
   『Black Sheep』(原題)
   『Lifeboat』(原題)
   『A Night at the Garden』(原題)
①『Period. End of Sentence.』(原題)
   『Animal Behaviour』(原題)
   『Late Afternoon』(原題)
   『One Small Step』(原題)
   『Weekends』(原題)

     計 短編15作品

 

 

 

 

 

それでは部門別、作品賞からどうぞ!



 

 

 

「作品賞」

BEST PICTURE

 

『グリーンブック』

 

以下、ノミネートされた作品。
『ブラックパンサー』
『ボヘミアン・ラプソディ』
『ROMA/ローマ』 感想記事
『アリー/スター誕生』
『女王陛下のお気に入り』 感想記事
『ブラック・クランズマン』感想記事&映画に纏わる論
『バイス』

 

 

「監督賞」

DIRECTING


"アルフォンソ・キュアロン"
  『ROMA/ローマ』 感想記事

 

以下、ノミネートされた方々。
・ヨルゴス・ランティモス
  『女王陛下のお気に入り』 感想記事
・スパイク・リー
  『ブラック・クランズマン』感想記事&映画に纏わる論
・アダム・マッケイ
  『バイス』
・パベウ・パブリコフスキ
  『COLD WAR あの歌、2つの心』6/28公開

 

 

「外国語映画賞」

FOREIGN LANGUAGE FILM

 

『ROMA/ローマ』

:メキシコ 感想記事

 

以下、ノミネートされた作品。
『万引き家族』:日本
『COLD WAR あの歌、2つの心』:ポーランド 6/28公開
『カペナウム(原題)』:レバノン 2019年公開
『Never Look Away』(原題):ドイツ

 

 

「主演女性役者賞」

ACTRESS IN A LEADING ROLE

 

"オリビア・コールマン"
  『女王陛下のお気に入り』感想記事

 

以下、ノミネートされた方々。
・ヤリッツァ・アパリシオ
  『ROMA/ローマ』 感想記事
・レディー・ガガ
  『アリー/スター誕生』
・グレン・クローズ
  『天才作家の妻 40年目の真実』
・メリッサ・マッカーシー
  『ある女流作家の罪と罰』

 

 

「主演男性役者賞」

ACTOR IN A LEADING ROLE


"ラミ・マレック"
  『ボヘミアン・ラプソディ』

 

以下、ノミネートされた方々。
・ブラッドリー・クーパー
  『アリー/スター誕生』
・ビゴ・モーテンセン
  『グリーンブック』
・クリスチャン・ベール
  『バイス』
・ウィレム・デフォー
  『永遠の門 ゴッホの見た未来』2019年公開

 

 

「助演女性役者賞」

ACTRESS IN A SUPPORTING ROLE

 

"レジーナ・キング"
  『ビール・ストリートの恋人たち』

 

 

以下、ノミネートされた方々。
・マリーナ・デ・タビラ
  『ROMA/ローマ』 感想記事
・エマ・ストーン
  『女王陛下のお気に入り』 感想記事
・レイチェル・ワイズ
  『女王陛下のお気に入り』 感想記事
・エイミー・アダムス
  『バイス』

 

 

「助演男性役者賞」

ACTOR IN A SUPPORTING ROLE

 

"マハーシャラ・アリ"
  『グリーンブック』

 

 

以下、ノミネートされた方々。
・サム・エリオット
  『アリー/スター誕生』
・アダム・ドライバー
  『ブラック・クランズマン』感想記事&映画に纏わる論
・サム・ロックウェル
  『バイス』
・リチャード・E・グラント
  『ある女流作家の罪と罰』

 

 

「脚本賞」

WRITING (ORIGINAL SCREENPLAY)

 

"ニック・バレロンガ"

"ブライアン・カリー"

"ピーター・ファレリー"
  『グリーンブック』

 

以下、ノミネートされた方々。
・アルフォンソ・キュアロン
  『ROMA/ローマ』 感想記事
・デボラ・デイビス、トニー・マクナマラ
  『女王陛下のお気に入り』 感想記事
・アダム・マッケイ
  『バイス』
・ポール・シュレイダー
  『魂のゆくえ』4/12公開

 

 

「脚色賞」

WRITING (ADAPTED SCREENPLAY)

 

"チャーリー・ワクテル"

"デビッド・ラビノウィッツ"

ケビン・ウィルモット"

"スパイク・リー"
  『ブラック・クランズマン』感想記事&映画に纏わる論

 

以下、ノミネートされた方々。
・エリック・ロス、ブラッドリー・クーパー、ウィル・フェッターズ
  『アリー/スター誕生』
・バリー・ジェンキンス
  『ビール・ストリートの恋人たち』
・ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン
  『バスターのバラード』
・ニコール・ホロフセナー、ジェフ・ウィッティ
  『ある女流作家の罪と罰』

 

 

「音響編集賞」

SOUND EDITING

 

"ジョン・ワーハースト"

"ニーナ・ハートストーン"
『ボヘミアン・ラプソディ』

 

以下、ノミネートされた方々。
・ベンジャミン・A・パート&スティーブ・ボエデッカー
『ブラックパンサー』
・セルジオ・ディアズ&スキップ・リブセイ
『ROMA/ローマ』 感想記事
・イーサン・ヴァン・ダ・リン&エリク・アーダール
『クワイエット・プレイス』
・アイリン・リー&ミルドレッド・ラトロウ・モーガン
『ファースト・マン』

 

 

「録音賞」

SOUND MIXING 

 

"ポール・マッセイ"

"ティム・カバガン"

"ジョン・カサリ"
  『ボヘミアン・ラプソディ』

 

以下、ノミネートされた方々。
・スティーブ・ボエデッカー&ブランドン・プロクナー&ピーター・デブリン
  『ブラックパンサー』
・スキップ・リブセイ&クレイグ・ヘニハン&ホセ・アントニオ・ガルシア
  『ROMA/ローマ』 感想記事
・トム・オザニッチ&ディーン・ズパンシック&ジェイソン・ルーダー&スティーブ・モロウ
  『アリー/スター誕生』
・ジョン・テイラー&フランク・A・モンタノ&アイリン・リー&メアリー・H・エリス
  『ファースト・マン』

 

 

「作曲賞」

MUSIC (ORIGINAL SCORE)


"ルドウィグ・ゴランソン"
  『ブラックパンサー』

 

以下、ノミネートされた方々。
・アレクサンドル・デスプラ
  『犬ヶ島』
・マーク・シェイマン
  『メリー・ポピンズ リターンズ』
・ニコラス・ブリテル
  『ビール・ストリートの恋人たち』
・テレンス・ブランチャード
  『ブラック・クランズマン』感想記事&映画に纏わる論

 

 

『撮影賞』

CINEMATOGRAPHY


"アルフォンソ・キュアロン"
  『ROMA/ローマ』 感想記事

 

以下、ノミネートされた方々。
・マシュー・リバティーク
  『アリー/スター誕生』
・ロビー・ライアン
  『女王陛下のお気に入り』 感想記事
・ウカシュ・ジャル
  『COLD WAR あの歌、2つの心』6/28公開
・ケイレブ・デシャネル
  『Never Look Away』(原題)

 

 

『編集賞』

FILM EDITING


"ジョン・オットマン"
  『ボヘミアン・ラプソディ』

 

以下、ノミネートされた方々。
・ヨルゴス・モブロプサリディス
  『女王陛下のお気に入り』 感想記事
・パトリック・ジェイ・ドン・ヴィト
  『グリーンブック』
・バリー・アレクサンダー
  『ブラック・クランズマン』感想記事&映画に纏わる論
・ハンク・コーウィン
  『バイス』

 

 

『美術賞』

PRODUCTION DESIGN


『ブラックパンサー』
    Production Design: ハンナ・ビークラー
    Set Decoration:ジェイ・ハート

 

以下、ノミネートされた作品。

『ROMA/ローマ』 感想記事
    Production Design: エウヘニオ・カバレロ
    Set Decoration: バーバラ・エンリケ
『メリー・ポピンズ リターンズ』
    Production Design: ジョン・マイヤー
    Set Decoration: ゴードン・シム
『ファースト・マン』
    Production Design: ネイサン・クロウリー
    Set Decoration: カシー・ルーカス
『女王陛下のお気に入り』 感想記事
    Production Design: フィオナ・クロンビー
    Set Decoration: アリス・フェルトン

 

 

「衣装デザイン賞」

COSTUME DESIGN


"ルース・カーター"
  『ブラックパンサー』

 

以下、ノミネートされた方々。
・サンディ・パウエル
  『メリー・ポピンズ リターンズ』
・サンディ・パウエル
  『女王陛下のお気に入り』 感想記事
・アレクサンドラ・バーン
  『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』
・メアリー・ゾフレス
  『バスターのバラード』

 

 

「メイクアップ&ヘアスタイリング賞」

MAKEUP AND HAIRSTYLING

 

『バイス』

 

以下、ノミネートされた作品。
『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』
『ボーダー(原題)』

 

 

「視覚効果賞」

VISUAL EFFECTS

『ファースト・マン』
    Paul Lambert, Ian Hunter, Tristan Myles and J.D. Schwalm

 

 

以下、ノミネートされた作品。
『レディ・プレイヤー1』
    Roger Guyett, Grady Cofer, Matthew E. Butler and David Shirk
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』
    Dan DeLeeuw, Kelly Port, Russell Earl and Dan Sudick
『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』
    Rob Bredow, Patrick Tubach, Neal Scanlan and Dominic Tuohy
『プーと大人になった僕』
    Christopher Lawrence, Michael Eames, Theo Jones and Chris Corbould

 

 

「主題歌賞」

MUSIC (ORIGINAL SONG)

 

「シャロウ ~『アリー/スター誕生』 愛のうた」
   『アリー/スター誕生』

 


以下、ノミネートされた作品。
・「オール・ザ・スターズ」
   『ブラックパンサー』
・「The Place Where Lost Things Go」
   『メリー・ポピンズ リターンズ』
・「I’ll Fight”」
   『RBG 最強の85歳』5/10公開

・「When A Cowboy Trades His Spurs For Wings」
   『バスターのバラード』

 

 

「短編実写映画賞」

SHORT FILM (LIVE ACTION)

 

『Skin』(原題)

白人至上主義を巡る物語

 

以下、ノミネートされた作品。
『マルグリット』✳︎"ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2018"で上映済
『野獣』✳︎"第9回マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル"で上映済
『Detainment』(原題)
『Mother』(原題)

 

 

「長編ドキュメンタリー賞」

DOCUMENTARY (FEATURE)

 

『Free Solo(原題)』9/6公開

ロック・クライミングを扱ったドキュメンタリー

 

以下、ノミネートされた作品。
『父から息子へ 戦火の国より』ドイツ映画祭 HORIZONTE 2019にて上映済
『RBG 最強の85歳』5/10公開
『Hale County This Morning, This Evening』(原題)
『Minding the Gap』(原題)

 

 

「短編ドキュメンタリー賞」

DOCUMENTARY (SHORT SUBJECT)

 

『Period. End of Sentence.』(原題)

インドなどで未だに残る、生理をケガレとする風習について

 

以下、ノミネートされた作品。

『エンド・ゲーム 最期のあり方』Netflixにて配信中

   エンド・ゲーム: 最期のあり方 | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト
『Black Sheep』(原題)
『Lifeboat』(原題)
『A Night at the Garden』(原題)

 

「長編アニメ賞」

ANIMATED FEATURE FILM

 

『スパイダーマン: スパイダーバース』

感想記事

 

以下、ノミネートされた作品。
『犬ヶ島』
『未来のミライ』
『インクレディブル・ファミリー』
『シュガー・ラッシュ オンライン』

 

 

「短編アニメ賞」

SHORT FILM (ANIMATED)


『Bao』

✳︎『インクレディブル・ファミリー』と同時上映

 

以下、ノミネートされた作品。
『Animal Behaviour』(原題)
『Late Afternoon』(原題)

『Weekends』(原題)
『One Small Step』(原題)




 

 

 感想


  今年の「作品賞」は『グリーンブック』。正直どれが獲ってもおかしくないような前評判だったため、どれが獲っても驚いていたと思います。事前に鑑賞できていた中で、『女王陛下のお気に入り』と『ROMA/ローマ』がどちらも素晴らしかったので、この2つをシネマ感覚思考では推していたのですが、受賞ならずでした。公開された『グリーンブック』は納得の良作でした。決して派手な作品ではないですが、静かに、力強く、心に染みるような作品でした。日本においては広く観られる作品ではない事が予想されますが、二重三重の意味を持つ、マジョリティの中のマイノリティを描いた普遍性のある作品だと思いますので、今回の受賞を機に話題となり、できるだけ多くの人に観られて欲しい作品だなと思います。(追記)『グリーンブック』をご覧になるのであれば、ぜひ『ブラック・クランズマン』も合わせてご覧になると、良い相乗効果を味わえるのではないでしょうか。おすすめです。


  その他に驚きだったのは、主演でオリビア・コールマンが受賞したこと、美術・衣装デザインで『ブラックパンサー』が受賞した事、音響・録音で『ボヘミアン・ラプソディ』が評価された事でしょうか。長年受賞しなかったグレン・クロースに主演のオスカーを、という背景があり、作品も良かった事から、これは受賞するのかなと思っていました。でも、オリビアのスピーチが良かったんですよね、吹き出してしまいました。美術・衣装デザインは『ブラックパンサー』か『女王陛下のお気に入り』の一騎討ちだと思っていて、『ブラックパンサー』の美術や衣装デザインも大好きなので、受賞は嬉しかったのですが、結果的に、『女王陛下のお気に入り』の受賞数が少なくなったのは、少し寂しかったです。

  そして、『ボヘミアン・ラプソディ』が思っていたよりも評価された事は感慨深いです。監督が途中で来なくなるなど、製作自体がめちゃくちゃなのにも関わらず、ここまで観客の熱量で動かされた作品もなかなかないのではと思います。そして、日本での『ボヘミアン・ラプソディ』の熱はずっと続いているのは凄いですね。最後の盛り上がりは、何度か観たくなる内容ですし、作品の伝えるメッセージがこの熱の高まりの中で、広まっていくのはとても好ましい、良い状況だと思います。


  他の部門は、ほとんど順当な結果になったかなぁと 思います。まだ作品賞ノミネートのうち、半分が観れていないので何とも言えませんが、今回のノミネートはどれも肩を並べるような作品ばかりだったため、突出して、賞を総なめという結果にならなかったのかも知れませんね。


  受賞スピーチでは、実に多様な言葉が観ている人へ届けられました。これこそが、これからの世界を生きる人々の姿なのだと思います。

 

 

 

 

 

 

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