シネマ感覚思考 / cinema-feel-think

1つの記事内に基本、映画紹介パートと、ネタバレありパートに分けて記載しています。お見知り置きくださいませ。



映画感想:『三人の夫』

 

 

 

 

 

400元

 

 

 

 


『三人の夫』
英題:Three Husband
      原題:三夫

 

 

 

 

 


あらすじ
  香港、発展の象徴のような摩天楼が見える川上の舟で1人の女性、ムイが売春をしている。買春をする通称メガネ。他の客にムイを買われたくないメガネは、ムイに売春させていた父親に金を渡し、結婚を申し込む。メガネの性欲からセックスを重ねる2人だが、メガネは次第にムイの怒涛の性欲に呑まれていく。

 

 

 

 

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感想
  東京国際映画祭コンペティション部門出品作品。
  えらいものを観たという感じです。非常にあけすけなセックスを描き、それを取り巻く人物は貧困のど真ん中にいる者ばかり。そんな人々を幻惑的な映像を交えながら映し出し、笑っていいのか何なのか、どんな気持ちで観たら良いのか分からない作品でした。まさに独特な世界です。返す手で、搾取にまで視点を持って行けておらず、そこに関してどうなのかと思います。監督は、何かしらの受賞を望んでいらっしゃいましたが、受賞しませんでした。

 

 

 


観ても良いかも!!?

 

 

 

以下、ネタバレを含みます。↓↓↓

 

 


ネタバレ感想


  強烈な作品でした。発達障害と思われる娘ムイに売春をさせて生計をたてる義手の父親老大、ムイの子どもと関連があると思われる障害者のおじ老二、ムイと結婚するも最下層セックス依存症というムイに搾り取られ、働けなくなる老三ことメガネ、という三人の夫がムイと何とか生活していこうとする物語。書いていても強烈です。


  当のムイは、体質から性欲を抑えきれないようで、既に三人の夫とも関係を持っているよう。しかし、誰もムイを鎮められないことから、仕方なく再び売春をさせることで、ムイは満足に近くなる。それでもまた怒涛の性欲が湧いてくるムイに、電動椅子からうなぎまで試す三人。もはや神性すら感じる存在へと向かっていくムイと、ムイらを載せるボートを見下ろす摩天楼。


  幻惑的な映像は貧困、性、資本などを覆い、こちらに提示してきます。ただ、搾取にまで観客の視点を持って行ききれていないだろうと、それはどうなのかと、思いました。

 

 

 

 

 

 

演出についての雑記

 

以下は、本作の気になった演出についての雑記です。

 

・冒頭の墓と買春、落下するドレスとムイ、生と死、性と死という象徴的な対比が登場していました。

 

・幻惑的な映像には、ドレス落下や、影絵、ディズニーランドの花火などがありました。

 

・色味の変化が劇中行われていました。メガネの冒頭の買春では、フィルムっぽい質感、陸に上がってからの色味を失った感じ、ムイが終盤怒り出して以降の白黒、最後モノクロの中にムイのドレスだけが赤く色づくといった感じで。

 

・メガネの祖母がストリートで流れるビートに乗って踊っている姿が印象的です。

 

 

 

以上、『三人の夫』感想でした。ありがとうございました。