シネマ感覚思考 / cinema-feel-think

1つの記事内に基本、映画紹介パートと、ネタバレありパートに分けて記載しています。お見知り置きくださいませ。



映画感想:『ヒズ・マスターズ・ヴォイス』

 

 

 

 

 

冷戦ってSF?

 

 

 

 


『ヒズ・マスターズ・ヴォイス』
          英題:His Master’s Voice
          原題:Az Úr hangja

 

 

 

あらすじ
  ペーテルは恋人と共にハンガリーからアメリカへやって来た。恋人は学会での発表が目的、ペーテルは"信じるか信じないか、あなた次第"的な番組の制作者へ会うのが目的だ。実は、その番組に冷戦下でハンガリーから西へ渡ったとされる父親らしき人物が映っていたのだ。車椅子で生活をする弟の願いもあって、父親探しをするペーテル。その捜索は、宇宙へとつながっていく。

 

 

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感想
  東京国際映画祭コンペティション部門出品作品。
  昨年の東京国際映画祭「東京グランプリ」作品『グレイン』がSF作品だった事もあり、今年のSF作品はどんなものかなと思っていました。本作は、SF要素が現実の地続きの先にあり、SFのイメージが展開される、という不思議な作品でした。トンデモTV番組を追うという主人公の物語に、時折挟まれるイメージに困惑しながら、これがどう繋がっていくのかと、ミステリー的に観ていました。面白いアイデアの作品です。

 

 

 

 

 

観ても良いかも!!!

 

 

 

 

 

 

 

  本作は日本で公開する目処が立っていないので、あまり意味のない事かもしれませんが、この記事を書くにあたり、予告編を観てみたところ、こんなに本編を面白そうに描く予告編もなかなかない!という出来だったので、紹介しておきます。本編はこんなテンポ感ではないのですが。

 

 

 

 

以下、ネタバレを含みます。↓↓↓

 

 

 

 

 

 

 

 

 


ネタバレ感想

  観ている最中、かなり困惑させられました。時折挟まれる宇宙のイメージを何とか読み解こうと苦心して、物語の展開を追っていくと、物語の中でも政府の秘密開発が出てくる、しかしイメージ映像までは繋がらない、はてなが続きました。

  恐らくあの宇宙のイメージは弟の脳内世界だったのでしょう。父に対する葛藤があの宇宙船内のイメージに模式的に表れていたのだと思います。とはいえ、やはり不思議な物語でした。

  アイデアや現実を超えていく物語は面白いもので、トンデモTV番組、自然発火、冷戦、宇宙船、親子、宇宙からのメッセージとを絡めていたのは良かったです。挟み込まれるイメージの要素はその数倍の数、これを織り込んだのはすごいですね。原作があるものなので、原作の要素が大きいとは思いますが。野暮ですが、一個一個の演出の意図を聞いてみたいところです。

 

 

 

関連リンク

 

  上映後Q&Aにて、パールフィ・ジョルジ監督、俳優のポルガール・チャバさん、脚本のルットカイ・ジョーフィアさんが、観客の質問に応えています。 

 上記の3個目の質問は書き起こしにミスがあります。「他の作品で使われている過去のフッテージやYouTube、デジタルデバイスの画面などを使って"リアリティ"を上げていったり物語を構成していくというのは"全世界的な流れ"だと思うのですが、一方で主人公が体験する非日常だったり幻想的な風景だったりの体験というのは、今のハリウッドのビッグバジェットのような"すごくリアルでスペクタルなものとは違って"、主人公がどこか不思議なところに置かれる、奇妙な不自然な感覚を覚えました。その辺の不自然さを演出されたのかなと思ったのですが、そういったのはありますか?」が適切ではないかと思います。

 

 

 

 

以上、『ヒズ・マスターズ・ヴォイス』感想でした。ありがとうございました。